HOME » 知っておきたい中絶手術の気になる7つのこと » 中絶手術を日帰りですることは可能?
日帰りで中絶手術を受けるには、次の条件をすべて満たす必要があります。
※ほとんどのクリニックは日帰り手術に対応していますが、中には日帰り手術非対応のクリニックもあります。上記の条件を満たしていても手術を受けられない可能性があるため、必ず事前に電話等でお問い合わせください。
日帰りで受けられる中絶手術の種類は「ソウハ法」「真空吸引法手術」「中絶薬」の3つ。それぞれどのような方法なのか、わかりやすく解説しています。
日本で古くから行われている中絶手術。ハサミのような形状の器具(※刃物ではありません)で子宮口を広げたのち、ピンセットやスプーンのような形状の器具を使って子宮内容物を掻き出す方法です。金属器具を使用するため、医師の技術によっては「子宮腔内癒着症」「子宮内膜菲薄化」「子宮穿孔」などの合併症リスクが伴います。また、合併症によって不妊になる可能性もあります。
子宮内にチューブを入れたのち、ポンプを使って子宮内容物を吸引する方法。金属器具を使って電動で吸引する場合は電動吸引法(EVA)、注射器のような形状のプラスチックの器具を使って手動出吸引する場合は手動真空吸引法(MVA)と言います。ソウハ法よりも手術時間が短く、出血量も少なめ。ただし、金属製のチューブを用いる場合は子宮内が傷つきやすいので注意が必要です。
現在日本では認められていませんが世界60か国以上で使用されているため、今後選択肢のひとつになり得る中絶方法です。女性ホルモンの分泌を抑える「ミフェプリストン」と子宮を収縮させる「ミソプロストール」という薬を合わせて服用して、人工的に流産を起こします。外科的手術が不要で心身的負担が少ない方法ですが、膣内出血・腹痛などの副作用があります。
中絶手術は自分の好きなタイミングで受けられるわけではありません。ソウハ法・吸引法のいずれも、妊娠初期(11周6日)までに受ける必要があります。
12週目以降に受けられる中絶手術は分娩方式のみ。分娩方式とは子宮収縮剤を用いて意図的に陣痛を起こして流産させる方法です。分娩方式は身体に大きな負担がかかるため、日帰りでは受けられません。3日から4日の入院が必要になるほか、分娩後は死産届の提出、胎児の埋葬許可書の取得が必要になります。
中絶手術のハードルは妊娠周期が長くなればなるほど上がるため、できるかぎり早めに決断することが大切です。
妊娠中絶手術を受けるには、原則中絶を受ける女性とパートナーの同意書が必要です。日帰りで中絶手術を受けたい方は、必ず前もって人工妊娠中絶同意書を用意しておきましょう。
ただし、次のような事情でどうしても同意書を用意できない場合は、相手側の同意書がなくても中絶手術を受けられる可能性があります。
未成年の場合、中絶手術を受ける女性とパートナーの同意書に加え、保護者の署名も必要になります。もし男性・女性のどちらも未成年の場合は、両方の保護者の署名が必須。ただし、未成年でもパートナーと結婚している場合は、本人とパートナーの同意書のみでOKです。
中絶手術は保険適用外の自費診療。費用はクリニックによって定められているためマチマチですが、現金一括払いのところが多いのでまとまったお金を用意しておく必要があります。妊娠初期の中絶手術の相場は15万円〜20万円程度です。
すぐにまとまったお金を用意するのが難しい方は、クレジットカード決済の分割払いに対応しているクリニックや医療ローンを組めるクリニックを選びましょう。
中絶手術は基本的に全身麻酔をかけてから行うのですが、胃の中に食べ物が残っていると嘔吐して胚に入ってしまう可能性があります。全身麻酔が聞いている状態で嘔吐すると窒息・肺炎につながるため、中絶手術を受ける約6時間前から食べ物や飲み物を口にしないようにしましょう。
中絶手術は、受けるタイミングによって手術ができる場合とできない場合もあります。そのため、診察日と手術日が同じ即日中絶手術を行っている病院やクリニックも多くあります。
ただ、妊娠してから間もない場合には子宮外妊娠などと区別がつきにくいこともあり、手術には、長年の経験とスキルが必要です。
信頼できる病院やクリニックで手術を受けることがなによりも大切な手術といえるでしょう。ただ、診察と手術、同時に受けられる病院やクリニックは多くありますが、初期の中絶手術そのものは診察日と手術日が別でも日帰りで受けられます。
もし、妊娠が分かり迷っている場合には、病院やクリニックで妊娠の周期を確認してから決断しても遅くはありません。
中絶手術にかかる費用は15万〜20万円と高額。限られた期間にすぐにまとまったお金を用意するのは大変ですよね。ここでは、東京都内で日帰り中絶手術を受けられるクリニックの中でも、クレジットカード払いに対応しているクリニックを厳選してご紹介します。
20時まで診療している年中無休のクリニックです。銀座駅から徒歩2分とアクセスも良好。医師・スタッフは全員女性です。中絶手術はソウハ法・吸引法の両方に対応。日帰り中絶手術は午前・午後のどちらでも受けられます。来院から帰宅までにかかる目安時間は約4〜5時間。即日中絶手術(初診日に手術を受けられるプラン)もあります。
新宿アイランドタワー32階にある完全予約制のクリニック。駅からのアクセスが良く、手術は19:30まで対応しています。中絶手術は女医が担当。妊娠初期(5週から9週6日まで)の手術費用は143,000円、診察・検査費用は11,880円、無痛麻酔代は55,000円となっています。
新宿レディースクリニックの分院にあたります。費用の内訳は基本的に新宿レディースクリニックと同じ。JR「東京駅」八重洲地下2番通りから、天候に左右されずにアクセスできます。また、在籍している医師は全員女性です。
恵比寿駅から徒歩2分。日・祝日は休診ですが、土曜日の午前中は対応しているクリニックです。来院前の事前メール相談サービスもあり。中絶手術に対する不安な気持ちや悩みに丁寧に応えてくれます。術式は吸引法がメインですが、場合によってはソウハ法と混在した中絶手術を実施。利用できるクレジットカード会社はVISA・MASTER・AMEX・DINERS・JCBで、2013年5月から分割決済にも対応しています。
池袋駅から徒歩5分。水曜・日曜・祝日は休診ですが、分院の「渋谷文化村通りレディスクリニック」で診察を受けられます。週数ごとに中絶費用を細かく設定しているのが大きな特徴。5週目までなら98,000円で受けられます。クレジットカードの分割払いに対応しているのも嬉しいポイントです。
即日中絶手術(初診を受けたその日のうちに中絶手術を受けられる)に対応しているクリニック。8週目までの即日手術は16万円から、9週~11週までの即日手術は18万円からとなっています。また、18週前後まで中絶手術に対応しているのも珍しいポイントです。クレジットカード払いに対応していますが、支払回数については記載ありませんでした。
渋谷東急本店前にある女性専用のクリニック。池袋にも分院を構え、病診連携をしています。術式は吸引法がメインで、手術自体は10分程度。術後2~3時間で歩けるようになるそうです。クレジットカードの分割払いにも対応しています。
クリニックによりますが、初めてクリニックに行ったその日のうちに中絶手術を受けられるところもあります(※即日中絶手術と言います)。健康状態と子宮内の状態を検査で確認したのち、問題なければ書類にサインをして中絶手術を受けられます。料金は、通常の日帰り中絶手術を変わらないところもあれば、プラス料金が発生するところも。また、平日・土日など曜日によって費用が変わるケースもあります。
診察日と手術をその日のうちに受ける即日中絶手術の流れをまとめました。
実施しているクリニックによって、流れが違う場合もあるので注意しましょう。
即日中絶手術を行っているクリニックに電話で予約を行います。その際には必要な書類について確認しておくことで、スムーズに手術が受けられるのです。
中絶手術は、麻酔の都合上、7時間前から絶飲絶食が必要なこともあるので、クリニックへ行く前日までの予約が必要になります。
診察や検査を行ってから、手術を行います。手術は約10分ほど。全身の麻酔が切れるまでは、安全確認も含めて2時間から3時間ほど病院で休みます。
目が覚めて、特に異常などがないようであれば、その日のうちに家に帰ることができるような流れです。手術自体は時間がかかりませんが、麻酔が切れるまでの時間も考えると、トータルで4時間から5時間はみておきましょう。
病院やクリニックによっては、術後1週間から2週間の間にもう一度、診察があります。
次の妊娠や自分の身体のために、手術後の検診は大切です。
中絶手術を行った後、数週間程度月経時のような出血が見られる場合もあります。また、発熱や骨盤の痛み、吐き気などが出る場合もありますから、中絶後は安静にしておく必要があります。
妊娠初期の中絶であれば、ほとんどの方は中絶をしてから数時間〜数日で普段の生活に戻ることができます。デスクワークのような体を激しく動かさない仕事であれば、中絶手術をした翌日から仕事をしても大丈夫です。また、体を動かすような仕事をしている方でも、2~3日安静にした後なら仕事をしても大丈夫、と判断される場合も多いです。
ただし、これも中絶をした方の体調や子宮の状態、仕事の内容によって異なります。 必ず中絶後に仕事をいつから始めても大丈夫か、医師に確認するようにしましょう。また、中絶手術後は、術後約1週間のタイミングで子宮の状態に問題がないかをチェックするために通院の必要があります。
妊娠12週未満の中絶手術であれば、翌日から事務仕事や軽い立ち仕事程度なら、復帰しても大丈夫とはいえ生活する上で注意しなければならない点もあります。例えば、次のような症状が出た場合には、必ず速やかに手術を受けた病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。
また入浴は、1週間程度は控えてシャワーで済ませる。仕事や外出では無理をしないことも大切です。仕事でお酒を飲まなければならない場面もあるかもしれませんが、必ず医師にお酒を飲んでいいかを確認してみましょう。日常的に飲んでいる方であれば、翌日から少量なら飲んでも大丈夫と言ってもらえる場合も少なくありません。
中絶手術は、初期であれば日帰りでできる。翌日から仕事もできると聞いて安心した方もいらっしゃるかもしれません。とはいえ、中絶手術は女性の体と心に大きな負担がある手術です。手術受けたら終わり、ではなく手術後はしっかりと術後検診を受けましょう。そして自分の心をゆっくり癒してあげる時間を少しでもいいので持てるようにしましょう。
妊娠初期であれば、日帰りもできる中絶手術。手術を終えた日は、自宅に帰って安静に心と体を休めてあげましょう。手術当日、家に帰ってからの過ごし方。どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?
妊娠初期の中絶手術であっても、体への負担は大きなものです。最低限、中絶手術を受けた日は病院からまっすぐ家に帰って身体を休めてあげましょう。
また、中絶後つらいのは、身体だけでなく心も同じ。中絶を受けた女性の心は、想像以上にダメージを負っています。その心を休める意味でも、手術当日はゆっくりと自宅で過ごすといいですよ。
もしもどうしても一人で中絶した事実と向き合うことが辛いなら、友達やパートナーとおしゃべりをしてみましょう。何も考えたくない、というときは映画や本などの世界に浸ってみるのもいいかもしれません。
一番大切なのは、手術後の身体と心を休ませてあげること。無理せず手術をした日くらいは、自分の身体を一番に考えてあげましょう。
中絶手術を受けた日は、入浴は避けましょう。手術翌日からはシャワー程度なら浴びても大丈夫です。中絶手術後は、子宮や膣から細菌感染を起こしやすくなっています。感染症のリスクを減らすためにも、お風呂は1日我慢しましょう。
手術後は、子宮などの感染症を防ぐための抗生物質や、痛み止め、子宮からの出血を止めるための子宮収縮剤などが処方されます。これらの薬は医師の指示通りに飲むことが大切です。
自己判断で「もういいだろう」と飲むのを止めたりせずに、きちんと飲むようにしましょう。また、日常的に市販薬や持病の薬を飲んでいる場合には、飲み合わせが大丈夫か、病院の先生に必ず相談しておくといいでしょう。
中絶手術を終えて帰宅した日の食事に関して、特に制約はありません。ただし、身体への刺激が強いお酒やタバコは控えたほうがいいでしょう。
気持ちの整理をつけたい、つらい気持ちを紛らわせたい……。そんな気持ちからお酒やタバコに手が伸びてしまいそうになる方もいるかもしれません。けれど、それは自分の身体をいじめてしまっていることに他なりません。
どうしても気持ちが落ち着かないなら、あたたかいお茶などを飲んで、深く深呼吸してみましょう。少しだけ気持ちがラクになるかもしれません。お酒やタバコ以外なら、大好きな食べ物を自分へのプレゼントとして用意しておいてもいいでしょう。
中絶後は、7〜14日程度、月経のような出血が見られることがあります。タンポンではなくナプキンで、いつもの月経のようにケアすれば基本的には問題ありません。ただし、出血が多かったり、出血により貧血のような症状が出たりするようなら病院に電話して相談してみましょう。
というのも、ごく稀にではありますが中絶手術中に子宮に傷がつき大量出血を引き起こすことがあります。吸引器具を子宮内に入れて胎嚢を吸い出す「吸引法」で中絶を行えば、大量出血が起こることは少ないようです。「ソウハ法」という、器具を子宮内に入れて胎嚢を掻き出す中絶方法をとる場合には、出血の量を気にしておきましょう。
大量出血は受胎生成物の残留、子宮頸管の外傷もしくは損傷、血液凝固障がい、または、稀ですが子宮穿孔に因って起きます。〜中略〜出血が救急処置が必要なほど重篤なことは稀です。女性が依頼した場合、または出血がひどく、もしくは長期化して、貧血を起こしている場合、もしくは感染症を示す根拠がある場合は、外科的な子宮内容物の除去を行うことができます。